マーちゃんの口の中の探検

マーチャンは、ユウコチャンと、それはそれはきれいなお花畑を歩いていました。
そのうち道に迷ってしまいました。
二人は、心細くなりましたが、向こうにピカピカした水晶のようなすぺり台が見えてきたので

「わアーうれしいなーうれしいなー早くすべり台に行こう行こう」
すっかり元気になったようです。
ピカピカに光ったすべり台はとてもつるつるで、マーチャンとユウコチャンは夢中ですべりました。
「アレッ、隣にもすべり台があるからこっちでもすべろうよー」
「わアーすべろうーすべろうー」でもこのすべり台は少し汚れていました。

「何だかべたべたしてるみたい」
おや、おかしいなあーいっこうにすべらないのです。
おしりに強力なのりがついたようになってしまいました。
「誰かぁー助けて一助けて一」
マーチャンとユウコチャンは、力を合わせて足にも、お手手にもついたおもらのようなのりをはらいのけてようやくきれいなみずうみに来ました。

おや、空の方から”ブクブク、プクプク、ピチピチピチピチ”という音がします。(そうです、その音はきれいなお水で、すべり台についているのりを落としているではありませんか。

マーちゃんの口の中の探検

二人はびっくりして、お目目を丸くして見ました。
きっともう少ししたら、大好きなすべり台が二つになるね。
「うれしいなーうれしいな」
二人は夕方になったので帰ろうとしましたがもう少し探検に行きました。

山の向こうに何があるのか見たくなりました。
”見えました。見えました”
山の向こうにけわしい谷があり真ん中に大きな黒くて、とても怖そうな穴がありました。
二人は勇気をだして見に行きました。
「うァーこわいこわい」

角のはえた鬼や、ヤリを持った怪獣、それにぬるぬるした名前のわからないおばけのようなのがいるではありませんか。

”どきどきがたがたぶるぶる”
すると向こうの方からやさしいママの声が聞こえて来ます。
「二人とも、おかしをたべたまま寝ると、むし歯になるからハミガキしなさーい。」

あっ、そうだ。
真っ黒い穴にいたのは、むしば菌の仲間たちでした。二人は一生懸命ハミガキをしました。

すると穴の中のむしば菌は、”コーサン、コーサン”といって逃げていきます。

さて、今日は、マーチャンとユウコチャンは楽しい探検をしましたが黒い穴の中は、とてもこわかったわね。二度とむしば菌にあいたくないでしょ。
二人は顔を見合わせ元気な声でいいました。
「寝ながらおかしは食べないよ」
「きっと寝る前には、ハミガキをしまーす。指切りするよ」
とてもおりこうなマーチャンとユーコチャンでした。

文・あびる のぶこ/絵・てらだ のぼる