お歯黒をつける風景

 お歯黒道具を前において、左手に手鏡、右手に房
楊枝を持ち、「ふし粉」をつけて、歯の表面をこすると
口の中は一面に真っ黒になる。
 化粧書や風俗図絵などには、お歯黒を塗る図が残
っている。

 

    (日本風俗図絵 第八揖 よしはら美人合せ)
  


お歯黒の化学


 お歯黒の材料は、「ふし粉(タンニン)」とお
歯黒壷にあめ、酒、もち米、粥などやさびた
鉄くず、鉄さびを入れ、かまどのそばで発酵
させた「かね水(酢酸第一鉄)」という溶液で
ある。歯をよくみがいた後、房楊枝で「かね
水」と「ふし粉」を交互につけて、歯の表面に
塗っていくと、黒い溶液のタンニン酸第二鉄
となり、歯が黒く染まる。
 お歯黒がはげると、はしたないとされ、既
婚の女性は、みだしなみとして、毎日、夫
が起きる前に朝早く起きて染めていた。
                            

                                                 


                                  
  もどる    すすむ    歯の博物館入り口へ