感染対策強化型歯科診療所認定制度について
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2020/09/04
2022/08/04
- 歯科に関する活動
この度、本会では、県民への安全な歯科医療の提供と共に、安心して受診できる歯科診療所の感染防止体制の強化を目的として、県内歯科医療機関を対象とした「感染対策強化診療所(略称:感強診・かんきょうしん)」認定制度を開始しました。
この認定制度は、歯科診療所が地域の公衆衛生の向上と増進に寄与し、県民の健康な生活を確保するために策定されました。
認定の審査基準は、厚生労働省や各種学会から示された新型コロナウイルス感染症に関する連絡文書・指針を基に作成しています。認定審査は公平性を確保するために、外部の学識・有識者(神奈川歯科大学・鶴見大学歯学部・日本歯科医療管理学会・日本口腔感染症学会)などで構成する感強診認定審査委員会が行います。
また、認定を受けた歯科医療機関には「認定証」が交付され、本会公式ホームページに医療機関名・所在地などが掲載されます。
この記事の目次
1. 感染対策強化型診療所認定制度について
1-1.概要
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が広がる中、新型コロナウイルス感染症と共存する社会においては、歯科医療機関それぞれの取組を県民に分かりやすく伝えることが重要です。
県民に歯科医療機関を安心して受診してもらうために、「感染対策強化型診療所」の認定制度をはじめることと致しました。
【目的】
県民への安全な歯科医療の提供と共に、安心して受診
できる歯科診療所の感染防止体制の強化を図る
【期待される効果】
・歯科診療所の院内感染対策の向上と徹底
・患者の感染予防意識の向上による地域の感染拡大防止
・必要な歯科治療の延期がもたらす健康被害の防止
・医療提供体制の逼迫・崩壊の防止
・公衆衛生の維持・向上
【認定審査の基準】
患者やスタッフの安全性を最大限に高めるために、「歯科医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応指針Ver.5『歯科の新しい診療様式』」のガイドラインを取入れ、感染対策を強化している診療所を「感染対策強化型診療所」として感強診認定審査委員会による審査の上、神奈川県歯科医師会が認定する。
なお、厚生労働省の定める歯科外来診療環境体制の施設基準を取得していることを必須条件とする。
1-2.認定審査項目
令和2年8月20日時点の情報と知見により審査項目を策定いたしました。今後の状況の変化により変更する場合があります。
感染対策の基本を徹底して遵守していただくとともに、今般の新型コロナウイルス感染症に特化した院内感染対策・感染拡大防止についても、以下に挙げた項目を実践して頂きたいと思います。
1.社会的取組みへの協力体制
神奈川県行政の感染防止対策取組書、LINEコロナお知らせシステムに登録し、院内掲示している
日本歯科医師会の「安心マーク」に登録し、院内に掲示している
ご自身が新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を導入、実施している
2 .受付・待合室について
【設備編】
換気設備が整っている(窓、空気清浄機、換気扇等)
パーテーションが設置されている
手指消毒液の設置がされている
【行動編】
来院毎に「感染拡大防止のための受診当日問診票」を行っている
診療時に患者の体温測定をしている
十分な換気を行っている
定期的に清掃をしている(手すり、スリッパ、トイレ洗面周りの消毒等)
手指用消毒剤の設置
受付ではパーテーションを使用
窓がないところは空気清浄機の設置
3 .診療室について
【設備編】
歯科外来診療環境体制の施設基準を取得している
換気設備が整っている(窓、空気清浄機、換気扇等)
診療ユニットの距離が十分に保たれている(個室、パーテーション等)
【行動編】
患者ごとにハンドピース、器具を交換している
患者ごとに診療ユニットの清拭消毒を行っている
過度に密となるようなアポイントを取らないようにしている
定期的に周辺機器(医療機器以外)の清拭消毒を行っている
適切な 個人防護具、グローブ、フェイスシールドを使用している
個人防護具の適切な管理と処理を行っている
口腔衛生用品の交換を行っている(エプロン、紙コップ等)
窓を開け、換気
口腔外バキュームにより、エアロゾルの飛散を防止
フェイスシールドの着用
患者ごとに、ユニットの清拭消毒ドアノブなどの清拭消毒
患者ごとにハンドピースの交換ブラケットテーブルの清拭消毒
エプロンコップ等は使い捨てられるものはディスポを使用
適切な 個人防護具・グローブ・フェイスシールドを使用している
4 .スタッフについて
【設備編】
スタッフルームの換気設備が整っている
【行動編】
時差休憩等で3密対策を行っている
体温測定、健康管理(管理表の作成)を行っている
スタッフルームの十分な換気を行っている
使用ごとに清掃している(手すり、スリッパ、トイレ洗面周りの消毒等)
5 .消毒室について
【設備編】
換気設備が整っている
適切な消毒、滅菌設備があること
【行動編】
患者ごとにハンドピースを滅菌している
日本補綴歯科学会のガイドラインに沿った印象、模型等の消毒を適切に行っている
それぞれの器材に見合った適切な洗浄、消毒、滅菌を行っている
6.医療廃棄物の処理について
適切に医療廃棄物の処理を行っている
クラスB滅菌
器具の滅菌パックの使用
超音波洗浄機の設置
認定証を発行した医療機関に対して神奈川県歯科医師会から確認等をさせていただく場合があります。また、申請内容に虚偽があった場合や不適切と判断した場合には、認定取消とし認定証の廃棄・撤去をしていただくこととします。
詳しくは、認定制度規則をご確認ください。
1-3.規則
公益社団法人神奈川県歯科医師会感染対策強化型診療所認定制度規則
第1章 総則
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第1条
この認定制度は、院内感染予防対策の実践に優れた歯科診療所を認定することにより、患者ならびに医療従事者の健康と福祉に貢献するとともに社会に信頼される安全な医療の提供と公衆衛生の維持・向上に寄与することを目的とする。
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第2条
前条の目的を達するために、公益社団法人神奈川県歯科医師会(以下、「本会」という)は感染対策強化型診療所認定審査機構(以下、「審査機構」という)を置き、感染対策強化型診療所(以下、「感強診」という)を認定する。
第2章 審査機構
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第3条
審査機構は、第1条に掲げる目的を達成するために、「感強診」の認定、更新ならびにこれに関連する必要な事項を審議し所管する。
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第4条
審査機構は、本会会長が委嘱する若干名の委員(以下、「認定委員」という)で構成する認定審査委員会(以下、「認定委員会」という)により運営する。
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第5条
認定委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
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第6条
認定委員会は委員の互選により、委員長ならびに副委員長を選出し、本会理事会の議を経て承認する。委員長は委員会を所掌し、本制度の円滑な運営を図る。
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第7条
認定委員会は、本制度の維持と運営のため、職責により必要に応じて専門的な「小委員会」を置くことができる。
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第8条
認定委員会は、委員長が必要に応じて随時開催できる。
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第9条
認定委員会は、委員の出席者をもって成立する。
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議事は、委員長を除く出席委員の3分の2以上で議決する。ただし、可否同数の場合は委員長が決する。
第3章 認定を受ける施設の資格
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第10条
認定を申請する医療機関は次の各号の条件を満たすことを要する。
1) 申請時に歯科外来診療環境体制の施設基準を満たしていること
2) 本審査機構が示す審査項目(別添1)を満たしていること -
第11条
認定を受けようとする施設は、次の各号に定める申請書類の提出と所定の審査料の納付をしなければならない。
1) 「感強診」認定申請書(新規申請―様式1)
2) 所定研修等履修証明(新規申請―様式2) -
2
認定委員会は必要に応じてその他の資料などの提出を求めることができる
第4章 認定の方法
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第12条
認定委員会は、申請書類などを総合的に審査を行い、適否は出席委員の3分の2以上の賛成により判定し、本会理事会の議を経て「感強診」として認定する。
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第13条
審査に合格し、登録手続きを完了した施設は、「感強診」として登録され、認定証が交付されるとともに県民向け本会ホームページ上に掲載される。
第5章 認定資格の更新
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第14条
「感強診」は、3年毎にその資格を更新する審査を受けなければならない。
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第15条
資格の更新を申請する施設は、次の各号に定める申請書類の提出と所定の審査料の納付をしなければならない。
1)「感強診」更新申請書(更新申請-様式1)
2) 所定研修等履修証明(更新申請―様式2) -
第16条
資格更新の審査は、認定委員会が要件を満たした施設について申請書類により行う。合否の判定は規則第12条に規定に準じる。
第6章 認定資格の喪失
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第17条
「感強診」は、次の事由により認定委員会の議を経て、その資格を喪失する。
1)正当な理由を付して自ら「感強診」の認定を辞退したとき
2)所定の期日までに「感強診」の資格更新を行わなかったとき
3)申請書類に虚偽が認められたとき
4)「感強診」としてふさわしくない行為があったと認められるとき
5)施設責任者などが不法行為により処罰されたとき -
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前項第4、5号に該当する場合にはその施設に対し、議決する前に弁明の機会を与えなければならない。
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3
認定委員会は審査の結果を遅滞なく、本会理事会に報告しなければならない。
第7章 附則
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第18条
この規則の改廃は、本会理事会の議を経て、承認を得なければならない。
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第19条
この規則は、令和2年8月6日から施行する。
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第20条
本制度の発足年度を含めて1年間は、経過措置として別に定める規定により「感強診」の認定を実施する。
1-4.認定審査機構
感強診認定審査委員会と感強診運営委員会で構成する。
認定審査委員会は申請された内容の審査を行い、運営委員会は感強診認定審査機構の運営を行う。
公平性を確保するために、認定審査委員会の委員は外部有識者が過半数以上とし、厳格な認定審査を行うものとする。
また、認定診療所においては円滑な運営のために認定審査委員会からの助言を求めることができる。
【感強診認定審査委員会】
山本 龍生神奈川歯科大学災害医療・社会歯科学講座教授
花田 信弘鶴見大学歯学部探索歯学講座教授
尾﨑 哲則日本歯科医療管理学会理事長
金子 明寛日本口腔感染症学会理事長
片山 繁樹日本歯科医療管理学会認定医制度担当理事
神奈川県歯科医師会 役員数名
顧問弁護士
平沼 大輔平沼高明法律事務所
【感強診認定審査委員会】
守屋 義雄神奈川県歯科医師会副会長
神部 哲哉神奈川県歯科医師会常任理事
今宮 圭太神奈川県歯科医師会常任理事
又吉 誉章神奈川県歯科医師会青年部委員長
岡本 泰輔神奈川県歯科医師会青年部副委員長
小池 軍平神奈川県歯科医師連盟常務理事
2. 神奈川県感染防止対策取組書について
2-1.概要
【概要】
事業所(店舗など)で取り組む感染防止の対策が一覧で分かる「感染防止対策取組書」を県が発行します。取組書を店舗やイベント会場に掲示いただくことで、県民の皆さまが安心・信頼して利用できます。
また、取組書にとともに発行するQRコードを利用し、店舗・施設等の利用者の皆さまの感染リスクを保健所が速やかに、必要に応じてフォローアップするための仕組みとして「LINEコロナお知らせシステム」を提供しています。これにより、感染者が訪れた場所を同じ時間帯に訪れた方に対してLINEメッセージをお送りします。
事業者の皆様は、安心の提供と、感染拡大の防止のため、この取組をぜひご導入くださ
い。
【利用方法】
- 1.お店を営業する方やイベントを主催する方などは、県の登録フォームから感染症対策などを登録し、取組書とQRコードの発行を受けます。
- 2.お店を営業する方やイベントを主催する方などは、県が発行する取組書とQRコードを店舗やイベント会場に掲示します。
- 3..利用者の方は、そのQRコードを読み込み、県のLINE公式アカウントに登録します。
- 4.新型コロナに感染された方が発生した際、保健所の調査上必要と判断された場合に、その感染者が訪れた場所を同じ時間帯に訪れた方に対してLINEメッセージをお送りします。
- 5.メッセージを受け取った方は、メッセージに記載された保健所の連絡先に電話することでスムーズな案内・対応が受けられます。
【メリット等】
・事業者の方が登録することでお店やイベントで行っている感染症対策を一覧で分かりやすく掲示できます。
(感染症対策ガイドラインに遵守していることをPRできます。)
・「LINEお知らせシステム」を導入していることで、お客様などに安心・信頼してお店等をご利用いただけます。
神奈川県感染防止対策取組書
https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0101/
2-2.神奈川県感染防止対策取組書 チェックリスト
認定を受けた歯科医療機関はこちら
関係資料
新型コロナウイルス感染症対策に関する動画を作成いたしました。
是非ともご視聴いただき、参考としてみて下さい。
下記の動画内では、感染経路、生活習慣等に関する疑問を紹介し、お答えしていきます。
下記の動画内では、お口のケアの重要性を紹介しています。