=神奈川県民の皆様へ=
「きれいな水」は県民の安全・健康に欠かせません
私たちは「水源環境保全・再生基本計画」の推進を支援いたします
平成17年3月7日
神奈川県歯科医師会
環境問題は今や、国際的な政治課題であると同時に私たちの生活環境に直結する重要な課題となっています。私たちは、ダイオキシン問題のように県内で実際に生じた身近な課題から、温暖化のような全地球的な課題まで多くの難問を抱えていますが、いずれも私たち一人ひとりが真剣に考え、取り組んでいかなければならない問題です。そして今、神奈川県が提案し、現在県議会において議論されているのが、私たちの生命や健康に直結する「水」の問題です。
もちろん、私たち歯科医師も一人の県民としてきれいな水を安心して使えることを強く望んでいます。さらに私たちには、歯科医師として県民の皆さんの健康維持に責任を負っています。様々な形で、毎日必ず皆さんの口の中に入る水が危険なものになってしまっては、私たちがいくら努力しても健康を維持できるものではありません。水が危険なものであっては、治療そのものができません。県民として、歯科医師として、私たちは安全な水の必要性について、毎日痛感しています。
今、私たちの家庭に届く水の源が大変危険な状況にあります。ダムに流入する水が流れてくる上流域の森林や河川など水源地域の環境の劣化、生活排水などによる水質汚濁が深刻な問題となり、このままでは将来にわたって私たちが安心して水を利用できなくなる可能性が高まってきました。
県では、平成9年度から「水源の森林づくり事業」を始め、水源地域の保全・再生を行っていますが、これでも十分では無いことから、昨年秋に改めて「水源環境保全・再生基本計画」をとりまとめ、今後20年間にわたり市町村やNPOなどとも協力しながら水源環境の保全・再生に努めていくことを明らかにしました。そして、現在行われている県議会において、この計画を実施する財源の一部に充てるために「水源環境保全税条例」を提案しています。
これは県民に新たな負担を求めるものです。当然、県自身が行政改革などに真剣に取り組み、自ら財源を確保するが前提条件となります。しかし、同時に私たちに最も身近な水の安全性を確保するためには、私たち一人ひとりが取り組まなければなりません。県に対して十分な情報公開や、より明確な説明を求めていくことは当然でありますが、神奈川県歯科医師会としては、速やかにこの条例案を成立させ、一刻も早く水源地域の保全・再生に取り組むべきと考えています。