講演のご案内

特別講演 南淵 明宏先生の写真

「心臓病と健康」

講師:南淵 明宏なぶち あきひろ先生

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基調講演 太田 嘉英先生の写真

「健康なお口でしあわせな生活」
~むし歯から口腔がんまで、知っておきたいお口の病気~

講師: 太田 嘉英おおた よしひで先生

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特別講演

心臓病と健康

南淵 明宏先生の写真

講師:南淵 明宏

奈良県立医科大学卒業
大和成和病院院長

講演内容

きれいな歯で心臓も健康!
歯は健康の根です。
歯周病で糖尿病が悪化することは皆さんもご存知でしょう。
あれっ?糖尿病で歯周病が悪化するんでしたっけ?
心臓ばかり診ている私はその辺の詳しいことは知りません。
ですがこれだけは言えます。心臓病の方には歯が非常にお悪い方が大変に多いこと。そして足の爪の手入れが全く行き届いていない人が多いこと。
同じ年齢の人を対象に大人数で調査して、客観的な数字を出したわけではありませんが、確実に言える事なのです。

これは何を意味しているのでしょう。

そんな私が手術する患者さんは血管がぼろぼろになった人たちです。
血管という、血液が流れる場所なのに、そして血液は清らかな液体であるはずなのに、二目と見れないほど汚く変形してしまった動脈硬化の病変部分はいったいどのようにして出来上がるのか? 本当のところ、こういった部分に実は歯周や足の爪から入り込んだ病原体がうようよ生息しているのではないでしょうか。そして血管を破壊しているのでは・・・。
それを示唆するデータが報告されています。私の病院でも患者さんにご協力を得て調査したところ、四人に一人の患者さんでなんと冠状動脈という、心臓の表面の大切な血管の壁に歯周菌が見つかりました。

太古の昔、労働力としての人間の価値は歯で評価されてきました。
昔の人は何でも知っていたのです。そして今とは違い、皆共通の知識を持っていたのです。
しかし昔の人は「知っていても」何もすることはできませんでした。
今は対処の仕方があります。歯の健康を失いがちな人でも、しっかりと治療を受け、歯を丈夫に保つ指導を受けて実践することで動脈硬化という厄災をしっかりと防ぐことができるはずです。


基調講演

健康なお口でしあわせな生活
~むし歯から口腔がんまで、知っておきたいお口の病気

太田 嘉英先生の写真

講師:太田 嘉英

東海大学医学部外科学系
口腔外科学領域 教授

講演内容

Quality of Lifeという言葉を知っていますか?QOLと略してつかわれます。“生活の質”と訳されることが多いようですが、“人生の質”と訳してもいいと思います。

にっこりと笑ってお話をする。美味しいものを食べる。これこそまさに人生の喜びそのものです。そのためにはお口の健康が大切です。お口の病気といってすぐに思いつくのはむし歯や歯周病だと思いますが、これらの病気の影響はお口の中だけにとどまらず、心臓病や糖尿病とも深い関係があることが明らかになっています。また歯周病だと思っていたら、単なる口内炎だと思っていたら、実は“がん”だった・・・なんてことも。

実はお口の中にもいろいろな病気ができるのです。どんな病気でも同じですがきちんと治すには早期発見、早期治療が大切ですね。たとえばお口のがんになってしまっても、早期であれば、治療後の障害も軽くすみます。また進行して大きな手術が必要となってしまった場合でも、健康な歯がたくさんある方は手術後の機能回復が大変良好です。

ところで知っていますか “がん”と“癌”のちがい?それでは“腫瘍”“悪性”ってどんな意味でしょう。ちょっとしたヒントを書きますね。

お口にも“がん”はできます。お口にできる“がん”は身体中にできる“悪性腫瘍”の1~2%位を占めるといわれています。決して少ないとはいえない数字ですね。お口の“がん”の8~9割は“癌”です。
お口の病気を正しく知り理解していただくために、がんの一般的知識も含めわかりやすくお話しします。いまの質問の答え合わせもしますよ。皆様のQOL向上にお役に立ていただければ幸いです。