「歯」と「脳」のお話

執筆者
神奈川県歯科医師会・川崎市歯科医師会会員 金井久弥

みなさん、「歯」は食べ物を噛むだけのものだと思っていますか?実はそうじゃないんです!「歯」は脳と一緒に働いて、私たちの体を元気に保つ、とても大事な役割をしています。今日はそのお話をしましょう。

歯と脳のつながり

昔、研究者たちは「運動」が脳にいい影響を与えることを発見しました。たとえば、走ったり体を動かすと、脳の中の「記憶」や「考える力」を司る部分が活性化するんです。それなら、「噛むこと」でも同じように脳が元気になるんじゃないか?と考え、動物を使った実験をしてみました。

結果はどうだったと思いますか?実際に、噛むことで脳のいろいろな場所が活発に働くことが分かりました。特に「噛むこと」は五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)や感情と結びついて、脳全体を活性化させるんです。

 

脚注:上・下段各5枚の切片:左側から小脳→大脳中央近傍。c‐fos mRNA遺伝子の発現の強さ:青色→黄色→赤色。

①三叉神経脊髄路核(NTS):三叉神経の入口で温。冷感覚・痛覚にも関与する領域。

②弧東核(SOL):味覚・臭覚。内蔵感覚にも関与する領域。

③海馬(HPL):ゴーグル状の形(食後に強く出現)は記憶視床下部腹内側核(VMH):お腹イッパイ!を感じる満腹中枢に関わる領域。

④扁桃帯:好き・嫌いなど喜怒裏楽にも関わる領域。嫌悪中枢とも呼ばれる。

⑤室傍核(PVH):交感神経・副交感神経。ホルモン分泌などの調節にも関わる領域。

 

歯と脳の話(斎藤滋先生)から引用

 

 

 

歯がなくなるとどうなるの?

けれど、歯はむし歯や歯周病(歯のまわりの病気)で簡単に失われてしまいます。日本では80歳以上で20本以上の歯を持っている人は10人に1人だけ。歯を失うと、食べ物をしっかり噛めなくなり、脳も元気をなくしてしまうかもしれません。

歯を守るために

では、どうしたら歯を守れるのでしょう?次の2つのことを覚えてください:

  1. 毎日歯を磨く
    食べ物のカスは歯の間にたまり、ばい菌が増えます。その結果、むし歯や歯周病だけでなく、体全体の病気につながることもあります。だから、朝・昼・夜、特に寝る前に歯をしっかり磨きましょう。
  2. よく噛んで食べる
    食べ物を30回噛むことで、脳も体も元気になります。よく噛むことで、誤嚥性肺炎や肥満などの病気も防げるんです。ガムを噛むのもおすすめですよ!

 

おわりに

「歯」は食べ物を噛むだけでなく、脳とおしゃべりをする大事なセンサーです。丈夫な歯を保つことで、楽しい食事や元気な毎日を過ごせます。みなさんも、歯と脳を仲良くして、大人になっても健康でいてくださいね!

参考文献: 「歯」と「脳」 斎藤滋

 

執筆者情報
金井久弥
神奈川県歯科医師会・川崎市歯科医師会会員
金井歯科医院

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