歯が溶ける酸蝕歯

私たちの歯は歯ブラシをしっかりしないと細菌によって、むし歯や歯周病になります。
しかし、歯ブラシで磨いても防げない歯の病気がありますのでご紹介します。

歯が溶ける!?原因は…

胃酸や飲食物の酸によって歯が溶けることがあり、酸蝕歯といいます。
その発生頻度は国民のおよそ20%とされています。
原因となる飲食物は
・みかん、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類
・イチゴ、パイナップル、ブドウなどのフルーツ全般
・コーラなどの炭酸飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクなどの他
・黒酢、クエン酸、ビタミンCなどの調味料やサプリメント、ワインや焼酎などのお酒など です。

美味しいけれど…


酢に蜂蜜を入れて冷たい水で割った飲み物はとても美味しく、美容や健康にも良さそうな印象で飲まれていますが、歯には良くありません。
生野菜にドレッシングやマヨネーズ、お鍋にポン酢も良く合いますが、やはり歯が溶けやすくなります。
歯に触れている時間が長く、回数が多いほど歯が溶けますので、チビチビ味わって飲むよりもグイッと飲んだ方が歯には良いですし、飲み物であればストローを使う方が良いでしょう。

胃酸は歯が溶ける大きな原因

胃酸は強力な酸で歯が溶ける大きな原因となります。胃酸の食道への逆流を起こす原因は、逆流性食道炎や摂食障害、悪阻、食べ過ぎによるげっぷ、寝酒深酒などがあります。
胃酸が逆量した場合は重曹の水溶液で繰り返しうがいをして中和させましょう。
歯が溶けて柔らかくなっているために、歯ブラシは口の中がさっぱりした感じになってからしましょう。
加齢とともに下部食道括約筋は弱くなりますから、食べ過ぎや脂っこい夕食や夜遅い食事は就寝時に胃酸の逆流を起こす原因になります。しかも、睡眠時は唾液がほとんど出ないために胃酸を中和できません。

写真1は嘔吐を繰り返す患者さんの口腔内です。歯が短く薄くなっています。
写真2はその歯を削らずにコンポジットレジンを用いて修復したところです。
歯は摂食する物によって、溶けるすり減るものだということを理解して頂き、歯が長持ちするように大事に使い続けたいですね。

写真①

写真②

神奈川県歯科医師会・茅ヶ崎歯科医師会 会員
西村歯科医院 西村 耕三

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