舌が痛い。舌に関する疾患

舌が痛いと不快です。
口内炎が一つできてもお話をする時、食事の時など痛くて不愉快な顔になってしまいます。
痛みが毎日続きますと舌癌ではないかと心配になります。
大口をあけて鏡に映った舌を見ますと赤いぼつぼつが奥にみえます。
いつからあったかしら、たけしも、ヒポクラテスも舌は全身の鏡だって
言っていた。心配が心配をよびます。更に痛みは増してきます。
舌のかたちと舌の痛みについて記載します。

舌には凸凹があります。

大口をあけて鏡をみますと舌の表面、舌背(ぜっぱい)がみえます。舌には溝があり、細かい点があります。この点は茸状乳頭、糸状乳頭です。更に大口を開けて舌の奥をみますと、ドーム型の膨らみがみられます。有郭乳頭で7から12個ぐらい並んでいます。舌側縁の奥には一見ポリープのような凸凹があります。これが葉状乳頭です(図1)。
口の中が気になって、鏡を見た時、これらをみつけますといつのまにか、舌癌になってしまったような気になります。もちろん舌の奥に癌が発生しない事はありませんが、このふくらみは乳頭で味覚を感じる味蕾(みらい)です。他の粘膜と同様の色で潰瘍や硬結がなければ心配はありません。
もし、鏡を見て毎日悩んでいるようでしたら受診してください。この赤く膨らんだ乳頭をみて、がんになったと思って悩んでいますと、後記する舌痛症の症状、口腔違和感、疼痛を感じる様になりますので、もし、心配なら受診してください。疑わしい所見が認められましたら細胞の検査、超音波検査などを行います。

図1


①有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)    ②葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)
③茸状乳頭(じじょうにゅうとう)    ④糸状乳頭(しじょうにゅうとう)

舌炎、舌痛症 (舌がピリピリ痛い)について

正常な舌でも、ぴりぴり、灼熱感を伴う痛みが続くことがあります。
粘膜の変化が認められずに舌尖部(舌の先端)や舌縁(舌の側縁)がヒリヒリ、ピリピリ痛いものを舌痛症といいます。粘膜の変化が伴う舌の疾患としては、口内炎、舌癌、粘膜が角化性変化をおこす白板症(はくばんしょう)、扁平紅色苔癬(へんぺいこうしょくたいせん)などの疾患もありますので、口腔内を診察することは大事です。
舌痛症はさまざまな誘因で起こります。
舌痛症の主な誘因
1. 薬剤性や加齢によって口腔乾燥が起こりますと口腔内細菌のバランスが崩れて常在菌の口腔カンジダ(真菌)が増加し疼痛の誘因になります。(潤いのない赤い舌)
2. 味覚障害などを伴う際は微量元素の亜鉛が足りない事が誘因になります。
3. 鉄欠乏性貧血などが誘因となることがあります。
4. 50-60代の女性の場合、更年期のホルモン変調が誘因のことがあります。
5. 日常生活におけるストレス、舌癌ではないかと心配している事などが誘因
となることがあります。

舌痛症の治療

 疼痛の主な原因を口腔細菌のバランス、血液検査などで検査します。
舌痛症は前記したように様々な誘因がありますので、がんでは無いことがわかっただけで痛みが消失するような方から、含嗽剤、精神安定剤の服用までそれぞれの誘因に応じた治療が必要な方までおられます。
舌に限らず、口腔の疼痛が持続する疾患は口腔癌、粘膜のあれ、下顎骨骨髄炎、顎関節症などさまざまなことがあります。口腔不快症状があるようでしたら、かかりつけ歯科医でご相談になるか、口腔外科の受診をお勧めいたします。

神奈川県歯科医師会・秦野伊勢原歯科医師会 会員 金子 明寛

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