歯はあなただけのもの、だから・・・

歯医者さんでレントゲン撮影したり、入れ歯を作ったり・・・ 
歯科治療としてとても大事ですが、これらは治療以外の場でも意外なところで大変重要な役割を担うことがあります。
いったいそれはなんなのか、お話ししたいと思います。

歯科治療の意外な役割とは?

歯科での治療が思わぬところで役に立つことがあります。
その代表例が「レントゲン撮影」です。以前にこの「歯とお口の基礎知識」ホームページの連載で、「歯科でレントゲン撮影するということ」という記事がありました(https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/1282/)。
歯は表に出ているのは一部であり、口の中を見ただけではわからないむし歯やあごの骨の内側の病気など、レントゲン撮影をしてみて初めてわかるものも多く、また治療の過程が確認できるのも大きなメリットです。一人一人の歯並びは異なるものですので、レントゲン撮影は歯科治療にとってはとても大切です。
しかしそれ以外での意外な役割とはなんでしょうか。

同様に「入れ歯」「銀歯」などもそうです。
こちらも過去の記事で「失った歯をほおっておかないで!!」(https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/1372/)があります。歯が抜けてしまったり、むし歯や歯周病などで歯を抜かなくてはならないような場合、そのままにしておくと口の中の健康を害してしまいがちです。
入れ歯や銀歯のような被せもの、ブリッジ、インプラントのような人工的な装置は、お口の中の機能を回復させるためにはとても大切です。もちろん患者さんお一人お一人にカスタマイズしたものを用意する必要があります。
レントゲン撮影も、入れ歯などの人工的な装置も、「歯はあなただけのもの」だからこそ治療として大事になっていることはおわかりいただけるかと思います。
実は、歯科治療以外での意外な役割も、「歯はあなただけのもの」ということがポイントになっています。
それは、「災害・事故」のときなのです。

身元の確認に欠かせない歯科治療の記録

地震、津波、火災、台風・・・・・近年、災害や事故のニュースが後を絶ちません。また昨年大きなニュースになった放火など、悲しい事件の報道もあります。思いがけず被害に遭われた方々が多くいらっしゃいます。誠に気の毒でなりません。
最近ではたくさんの方々がボランティアに入るなど、被害に遭われた方々や地域の復興を支援する動きも大きく伝えられるようになってきました。
そんな中、歯科としてささやかながら手助けしていることがあります。そのひとつが、「身元の確認」です。
災害や事故の場合、残念ながら犠牲になられた方の身元の確認が困難な状態になってしまうことが多くあります。
その際、歯科治療の際に日常的に行われている「レントゲン撮影」や、「入れ歯」「銀歯」といった人工的な装置などが、こういった犠牲になられた方を特定しご家族のものへお返しすることに非常に役立つことがあるのです。
歯は、体の中でもっとも硬い組織であるため高温にも耐えられます。歯並びがわかれば、レントゲン撮影した写真データと照合すればご本人かどうかがわかります。
また、銀歯などの被せ物はオーダーメイドなので世の中に同じものはありません。歯科治療の記録と照らし合わせることで特定が可能になります。
実際、2011年に起きた東日本大震災の際には、歯科の記録情報によって、千人以上の方の身元の確認ができました。

歯はあなただけのものだから・・・

「歯はあなただけのもの」。だからこそ、歯の治療や定期健診は万が一の場合に役立つことがあるのです。
歯科治療が現在のお口の健康を守るだけでない大事な役割を持っていることを知っていていただければと思います。

神奈川県歯科医師会・逗葉歯科医師会会員 武田 宇央

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