[かむカム07号/1994年07月]より 歯のまめ知識かむカム歯の話

間違った歯ミガキは歯をダメにする(歯ミガキ剤もその特徴を生かせば効果的)

人生80年時代を生き抜くために歯の健康は何にもまして大切なことです。そこで今回はむし歯や歯周病の予防のために欠かせない「歯みがき」について考えてみることにしました。「歯みがき」こそ健やかに老いるためのカギといってもよいでしょう。再認識のいとぐちとなれぱと思います。

「歯は磨くほど悪くなる」といえば驚く人が多いでしょう。誰もが小さい時から何気なく行っている歯みがきですが、実はこの作業は意外と難しいのです。

歯みがきは"掃除"です

"歯磨き"ということで一生懸命にただこする人がいますが、英語にすれば"クリーニング"で、隅々まできれいに掃除する事なのです。決して研磨という意味の"ポリッシュ"ではないのです。歯の掃除の方法は、歯並びが千差万別な事もあって、これもまたさまざまです。自分の歯並びに合った掃除の方法を、まず主治医や歯科衛生士に教わるべきでしょう。間違った歯みがきでかえって歯をダメにしてしまっている人が意外と多いのです。硬い歯ブラシでしかも研磨成分入りの歯みがき剤を多量に使ってこすり過ぎたために、歯の表面がすり減ってしまっている人や、歯肉が下がってしまつて、本来は歯肉に覆われていなくてはならない弱い歯の部分が露出してしまっている人もいます。この場合は歯が長くなったように見えます。

正しい方法であってこそ

歯肉が下がって出てきた部分は以前から露出している歯の表面に比べて歯質が弱いために、同じようにみがいているとその部分だけすり減ってしまいます。
あたかもくさびを打ち込んだような欠損の状態が現れ、水などがしみるようになると共に、むし歯にもなるのです。

むし歯や歯周病の予防を目的とする歯みがきも、それが正しい方法であってこそなのです。「食後3分以内に3分間」といいますが3分というのは結構長い時間です。自分の歯にあった硬さの歯ブラシを選び、みがきにくい所から始めるのが一つのコツでしょう。

歯みがき剤あれこれ

近ごろ、コマーシャルや広告に歯みがき剤が多く登場するようになっています。「歯みがきは歯ブラシで歯垢(しこう)を取り除くことが大切で、よごれが落ちてなくなりさえすれば歯みがき剤はいらない」という考え方もあり、歯みがき剤を使わないでみがく人もたくさんいるといわれています。
確かにそれも一理あることですが、最近はよく考えられた歯みがき剤も数多く見受けられるようになっていることも事実です。

丁寧な時は液状を

現在は、今までのチューブ入りの練り歯みがき剤のほかに、液状歯みがき剤、さらに「マウスリンス」も出回わるようになっています。
液状のものは研磨成分もなく、泡立ちを抑えたものが多く出回り、時間をかけて丁寧に歯をみがくのに適しています。
また、これとは別に薬効成分を強調している製品もみられるようになっています。例えば、フッ素の配合されている歯みがき剤は、きれいにみがけた歯の面に有効に作用して、歯質の強化に役立つことが期待されています。
また、むし歯ではないのに歯がしみるという「象牙質(ぞうげしつ)知覚過敏症」に効能を発揮するという製品もあります。

薬用は歯周病に

歯周病(歯そう膿漏など)の歯肉のはれを抑える薬用歯みがき剤も多く開発されています。発赤'はれ・痛みなどを抑える抗炎症作用や、血管の血行促進作用が期待できる薬用成分が配合されたものもあります。
さらに殺菌作用の期待される製品も多く市販されているのです。これらは科学的にも理にかなっているといえます。
「むし歯」と「歯周病」は歯科における2大疾患であり、その予防は正しいブラッシング(歯みがき)から始まるといっても過言ではありません。
ブラッシングの補助器具や関連製品と、いろいろと凝っていくと何だか「歯みがきおたく」になってしまいそうですが、栄養を取り入れる最初の窓口の「口」が、健康であるということが、身体全体の健康につながるのですから、大いに興味を持って試してみて欲しいものです。