[かむカム21号/2001年02月]より 歯のまめ知識かむカム歯の話

入れ歯との上手な付き合い方

入れ歯をいつ入れたらいいのか、また、その扱い方にいて、悩んだり、困ったりしている人がたくさんいます。本号ではその方々への参考となるよう専門家のアドバイスをいただきました。
「入れ歯なんて具合の良いわけありません。しようがないから入れる代用品ですから。」あんな大きなものを口の中に入れて、平気で入れていられる人の方が神経がおかしいといっても過言ではありません。ただひたすら馴れるしかないのです。これはもうあきらめの境地といえましょう。でも入れ歯は入れなければならないのです。

入れ歯と一口に言っても、残っている歯にとり付けてしまってあたかも自分の歯であるかのごとくに使っているものと、取りはずしのものとに大別されます。

色々と面倒なことが多いのは後者の取りはずしの入れ歯です。沢山の自分の歯を残している人の中には一本や二本の歯がなくなっても不便を感じずに、そのまま放置している人もみられます。

一見、何んの支障もないようにもみられますが、これは大きな間違いで、後になって大きなハンディを背負うことになるのです。例えば一本の歯を抜いたままで放置しますと、両隣りの歯がそのすき間に寄ってきます。咬み合わせの相手となっていた歯もそのすき間を埋めるかのように伸びてくるのです。そうして長い間には歯のあった部分のすき間が埋まってしまいます。

後になって、反対側の歯が具合悪くなり、入れ歯を入れたいと感じるようになっても、もうその時には入れるだけのすき間がなくなっているのです。抜けた歯の部分では今迄のようにかめませんので、これをかばうようなかみ方をしているうちに、本来、自分が持っていた正しいかみ合わせも崩れてしまうのです。左右のあごの関節に加わる力も均一なものでなくなり、やがて背骨も曲がってしまうということにもなるのです。

一本抜けたら一本入れる、二本抜けたら二本入れるというようにしてこそ、総入れ歯になるまで自分の持って生まれた正しいかみ合わせが持続できるというものです。多数の奥歯を失っても入れ歯を入れずにいて、いよいよ前歯がなくなって大騒ぎをする人がいます。前歯がなくなったのではみっともなくて人にもあえず、それに発音という点でも大きな支障をきたします。こうした人がきちんとした入れ歯が入れられると思ったら大間違いです。一本抜けたら一本入れ、二本抜けたら二本入れてきた人と全く同じに具合のよい入れ歯が入ったのでは全く不公平であり、そんなうまい話はありません。多数の歯を失っても入れ歯を入れずにきた人は、ここに来て大きなツケを払わされることになります。かみ合わせはガタガタになってしまっていて、あごの土堤(ドテ)もなくなってしまっているのですから、入れ歯がなくてはならない時になっても調子のよい入れ歯など望むべくもないのです。
人生80年時代を長寿時代とするには一生、自分の歯で食べる必要があります。しかし不幸にして歯を失ったその時には必ず入れ歯を入れなければいけないことを再認識して欲しいものです。