| 《外国の抜歯》 |
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抜歯は、今では歯科医により日常行われている。 抜歯を行うときに必要な主な材料をあげてみると、 ○レントゲン写真(1895年W. C. Roentgen発見) ○消毒・滅菌(1876年コッホ炭疽菌発見、1881年パスツール予防接種) ○麻酔(局所麻酔:1806年モルヒネの抽出、1943年塩酸リドカイン合成、 全身麻酔:1850年頃 笑気 ○抜歯器具(エレベーター:歯の根をこじ上げる抜歯器具、 抜歯鉗子 ○化学療法(1910年サルバルサン完成) ○抗生物質(1928年ペニシリン発見) などがある。 医療行為としての抜歯は、近代医学の様々な知識が必要なのである。しかし抜歯行為は紀元前より行われており、ここではそれらと共に歯科医学と関係ある主なものについて、見てみたい。 |
![]() 抜歯の風刺画(「ART AND DENTIST」より) |
![]() 1760年頃の抜歯器具 左より ペリカン 歯鍵 右上 歯鍵 |
| 1.風習としての抜歯 |
抜歯という行為は古くから行われており、それは風習、刑罰、また医療などに大きく分けられる。古い時代の人骨の調査によると、日本をはじめ中国・台湾などの東南アジア・アフリカ・オーストラリア・南北アメリカ・ポリネシアなどにおいては、歯を抜く風習があり、特定の歯を抜いている。これは、婚約・結婚、喪に服するなどの儀式が考えられる。中国や台湾では結婚の前にお互いに歯を抜いたり、親しい目上の人が亡くなったとき自分の歯を抜いて悲しみを表したり魔除けにしたという。また、同族の目印、階級を表すとも考えられる。いずれにせよ、歯を抜く風習があったことは確認されている。唇を伸ばしたり、鼻に穴を開けるなど、身体の一部を変える風習についても同じであろう。 |
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| 2.中国・台湾などにおける抜歯の風習 |
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中国のいくつかの書に、清の時代(1616〜1912)の抜歯について書いてある。これは、嫁いで女性が夫の家に災害や疫病をもたらすことを恐れ、歯を2本抜いたという。また、肉親の死に際し、「死をいた悼む」、「死のたたりを避ける」などのため、抜歯を行い、抜いた歯を死体と一緒に葬ったという。 抜く歯は、上の真中から2番目の前歯(上顎左右側切歯)であった。抜歯の方法は、金属の精練ができなかった時代には木や石によって、金属加工ができるようになった時代には、金属の棒・木鎚・板などによって一気に叩き出したのであろう。いずれにせよ、近代麻酔の全くない時代に抜歯することは、抜かれる人にとって大変な苦痛を与えられたであろう。 |
![]() (「抜歯の文化史」より) |
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