過剰歯って何?

過剰歯って何?

執筆者
神奈川県歯科医師会・鎌倉市歯科医師会 又吉 誉章

みなさんは、「過剰歯」という言葉を聞いたことがありますか?
お子様の前歯がなかなか生え変わらなかったり、前歯の真ん中が開いて生えてきたり、乳歯が早く抜けてしまったりしていませんか?
もしかしたら、それは過剰歯が原因かもしれません。
ここでは、過剰歯とそのリスクについてお話していきます。

本来より過剰に存在する歯

「過剰歯」とは、字のごとく、本来ある歯の数よりも過剰に存在する歯のことです。正常な歯の数は、乳歯が20本、永久歯は親知らずを含めて32本なので、その数を越えた歯が過剰歯です。正常な歯と同じ形をしている場合もありますが、少し小さく、丸や三角の形をしたものが多いです。過剰歯の数は、1本だけでなく、2本以上のこともあります。口の中に出てきている場合と、骨の中に埋まっていて見えない場合(埋伏過剰歯)があり、乳歯列ではほとんど見られず、永久歯列に多いです。様々な場所に出現しますが、一番多いのは、上顎の前歯の真ん中の過剰歯です(上顎正中過剰歯、埋伏過剰歯)。生えてくる方向も様々で、本来の歯の向きと逆方向に生えて行く場合もあります。

過剰歯の原因ははっきりとは分かっていませんが、歯の形成初期の状態である「歯胚」が過剰に作られてしまったり、2つに分かれてしまうことが原因ではないかといわれています。約30人に1人の割合で過剰歯があるといわれており、特別珍しいわけではありません。

 

過剰歯が発覚するケース

過剰歯はいったいどのようにわかるのでしょうか。発覚するケースをいくつか挙げてみます。

  • 乳歯から永久歯への生え変わりは、6歳前後から始まるが、それよりも早い時期(5歳ぐらい)に乳前歯がグラグラしてきたため、歯科を受診してレントゲンを撮ってみたら、乳歯と永久歯の間に埋伏過剰歯が存在していた。この埋伏過剰歯が原因で、乳歯の歯根が吸収されてグラグラになったことが分かった。
  • 前歯の片方が生え変わったのに、もう片方がなかなか生えてこないため、歯科でレントゲンを撮ったら、埋伏過剰歯が邪魔をして、歯が出てこられなくなっていることが分かった。
  • 前歯が開いて生えているため、歯科でレントゲンを撮ってみたら、前歯の真ん中に埋伏過剰歯が埋まっていて、前歯を閉じることができない状態であることが分かった。
  • 変わった形の歯が、歯の間から生えてきたため、歯科を受診してみたら過剰歯だった。
  • 検診でレントゲン写真を撮ったら、埋伏過剰歯があることが分かった。

このように、ひょんなことから発覚するケースが多くあります。

 

過剰歯のリスク

過剰歯が発覚した場合、歯科では抜歯を勧められることが多いものです。それは、過剰歯があること自体にリスクがあるためです。

過剰歯のリスクにはさまざまなものがあります。

  • 前歯が開いてしまう。
  • 歯が生え変わらない。
  • 歯並びが悪くなる。
  • 隣の永久歯の歯根を押して溶かしてしまう。
  • 埋伏過剰歯を取り囲むように袋状の嚢胞(のうほう)ができ、これによって骨や周囲の歯根が溶けてしまう。
  • 上に向かって生えて、鼻の穴から出てきてしまう。
  • 埋伏過剰歯の隣の歯の神経が死んでしまうと、埋伏過剰歯も菌で汚染されて炎症が起こる

といったリスクが考えられます。

問題が無いまま経過することもありますが、少しでも気になる点があれば、歯科医に相談してみましょう。

 

 

 

執筆者情報
又吉 誉章
神奈川県歯科医師会・鎌倉市歯科医師会
又吉総合歯科医院

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