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自宅で行うホワイトニング~メリットとデメリット、注意点を知っておきましょう~

メリットとデメリット、注意点を知っておきましょう

ホームホワイトニングとは、自宅で歯の表面に漂白作用をもつ薬剤(ホワイトニングジェル)を塗って歯を白くする方法です。
歯科医院で行うホワイトニング(オフィスホワイトニング)に比べ、費用が安く、自分の好きな時間にホワイトニングができるというメリットがあります。
しかし、ホームホワイトニングにも注意点やリスクがあります。
歯科医師の立場から、ホームホワイトニングの手順、しくみ、効果、注意点などについて、詳しくご説明します。

ホームホワイトニングの方法は主に2つ

ホームホワイトニングには、市販のホワイトニングキットを使う方法とオーダーメイドのマウストレー(マウスピースの一種)を使う方法があります。
いずれも、プラスチックでできたマウストレーの内側に薬剤を塗り、歯にかぶせるという使いかたに大きな違いはありません(図1)。

市販のホワイトニングキットは既成のマウストレーを使うもので、ドラッグストアやインターネットで手軽に購入できますが、歯を白くする効果には少なからず個人差があります。

これに対し、オーダーメイドのマウストレーを使うホワイトニングは、マウストレーが1人ひとりの歯にぴったりフィットするため、薬剤が均一に歯に浸透しやすく、歯を白くする効果が高いといわれています。

    図1 マウストレーの内側に薬剤を塗り、歯にかぶせる

歯科医院でつくったマウストレーを装着

オーダーメイドのマウストレーを使ったホームホワイトニングの手順としくみについて、ご紹介します。

まず、歯医者さんで患者さんの歯型に合わせてマウストレーを作成します。このマウストレーに自宅に持ち帰り、漂白剤を入れて歯にぴったりと装着します。
漂白剤には過酸化水素や過酸化尿素などが含まれており、これらの成分が歯の表面に付着した色素や汚れを分解して除去し、歯を白くするというしくみです。

一般的には1日1回から2回、数時間マウストレーを装着することにより、数週間から数ヵ月で歯が白くなるといわれています。なお用量と用法は薬剤によって異なりますので厳守する必要があります。

白い歯を保てるのは半年から1年程度

ホームホワイトニングの効果は個人差がありますが、平均4~6トーン程度の明るさが得られるといわれています(図2)。
ただし、効果の持続期間は短く、半年から1年程度で元の色に戻る可能性が高いようです。そのため、定期的なメンテナンスや再施術が必要になります。

また、歯の色は本来多様であり、個人の体質や年齢、食生活などによって変化します。そのため、自然な白さや美しさを求める場合は、歯科医師と相談して適切な色調や方法を選択することが重要です。

    図2 ホワイトニングで歯が白くなる効果は平均4~6段階

注意を守って有効かつ安全にホワイトニングを!

ホームホワイトニングは自宅で行える便利な方法ですが、以下のような注意点やリスクもあることをご理解ください。

1. 歯科医師の指示に従わないと、歯や歯ぐきにダメージを与えたり、効果が得られなかったりする可能性があります。
2. 歯や歯ぐきに痛みや過敏症を感じる場合は、すぐに使用を中止し、歯科医師に相談してください。
3. 妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への影響が不明なため、使用を控えてください。
4. 歯科治療中やむし歯や歯周病など口腔内の問題がある場合は、使用前に治療を完了させてください。
5. 入れ歯やインプラントなどの人工物は漂白されません。そのため、自然な色合いを保つためには、漂白後に人工物を交換する必要があります。

ホームホワイトニングは、自分のペースで歯を白くすることができる便利な方法ですが、正しい知識をもち、使用上の注意を守って行うことが重要です。
自分の歯に合った方法を選び、有効かつ安全に美しい笑顔を手に入れましょう。

■参考文献

ホワイトニング NEW GENERATION 宮崎 真至(著、編集)他 医歯薬出版
クリニカルトゥースホワイトニング 北原信也(著)医歯薬出版
ホワイトニング&プリペンション 椿 智之(著) クインテッセンス出版

神奈川県歯科医師会・厚木歯科医師会会員
横田歯科医院 横田剛

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