子どもの歯の健康を守る大切なポイント ~生涯、自分の歯で食べるために~

お子さんには一生自分の健康な歯で過ごしてもらいたいものですよね。そのためには小さいころからの予防の習慣が非常に重要です。

子どものむし歯は毎年確実に減っています

お子さんのすこやかな成長を見守るためには、乳幼児のころから歯の健康に気を配り、適切にケアすることがとても大切です。

乳歯の健康を保つことは、乳歯のかわりに生えてくる永久歯や顎の発育にも大きく影響します。

また、乳幼児期は生涯を通じて歯の健康を守るため、適切な歯みがきのしかたや食習慣など基本的なことを身につける時期でもあります。

厚生労働省の調査によると、むし歯をもつ3歳児の割合は平成5年の56.7%から平成29年は8.6%と、毎年着実に減少しています(表)。

表 う歯を持つ者の割合の年次推移 厚生労働省 H28年歯科疾患実態調査の概要より抜粋予定

このことは、保護者の皆さんが子育てでたいへんな時期にもかかわらず、お子さんの歯の健康に気を配ってこられた成果だと思います。

そして、各地の歯科医師会がさまざまな公衆衛生活動を通じて、お子さんの歯の健康を守る保護者の皆さんを応援してきたことも少なからず貢献しているのではないでしょうか。

今後さらにお子さんのむし歯を減らすため、大切なポイントをご紹介しましょう。

さらに子どものむし歯を減らすために

お子さんのむし歯を予防するためには、正しい歯みがきのしかたを身につけるとともに、間食のとりかたを工夫し、定期歯科検診を受けることが大切です。

ポイント1 歯につきにくいおやつを選び、時間を決めて

お子さんがすこやかに成長していくうえで、おやつ(間食)は大切な栄養補給源となっています。ただし、お菓子に多く含まれる糖分は、ごはんやパンなどに含まれる糖質より明らかにむし歯の原因になりやすいので注意が必要です。

むし歯を予防するためには、おせんべいやスナック菓子、代用甘味料を使用したお菓子など、糖分が少なく、歯にくっつきにくいお菓子を選ぶとよいでしょう。

そのうえで、お子さんが欲しがるときに与えるのでなく、「午前10時と午後3時がおやつの時間」というように時間を決め、長時間ダラダラ食べ続けないようにすることが大切です。

ポイント2 定期歯科検診時に「フッ化物歯面塗布」を

むし歯を予防するため、定期歯科検診時に歯の表面にフッ化物を塗布することが有効なことは、これまでに行われたさまざまな研究や調査により明らかにされています1)

乳歯は生後半年ごろに生え始め、3歳には生えそろいます。生え始めて間もない乳歯はむし歯になりやすい反面、フッ化物が歯に取り込まれやすいという特徴があります。

このため、フッ化物歯面塗布は乳歯が生えてから間もないころに行うことが推奨されています。

また、永久歯は成長の早い女の子では4歳から、多くは5.~6歳から生え始めます。永久歯を守るため、こうした時期にフッ化物歯面塗布を受けることが推奨されています。

しかし、永久歯にフッ化歯面塗布を行う場合、乳歯に行うときよりフッ化物溶液の濃度を高くしないと、十分なむし歯予防効果が得られないと考えられています。

このため、安全にむし歯予防効果を得るためには、歯科医師などの専門家が歯科医院でフッ化歯面塗布の行う必要があります。

ポイント3 正しい歯みがき習慣を身につける

お子さんの歯みがき習慣は、最初の歯が生えたときから始まります。

保護者が歯みがきのお手本を示し、お子さんが小児用のマイ歯ブラシでまねしてみる、そして保護者が別の歯ブラシで仕上げみがきをするとよいでしょう。

むし歯を予防するためには、こうして正しい歯みがき習慣を身につけることが大切です。

1歳6ヵ月を過ぎたころの就寝時の授乳もむし歯の原因となる可能性がありますが、授乳後に毎回適切に歯をみがいていれば問題ないと考えられています。

ポイント4 保護者も一緒に定期歯科検診を受ける

お子さんのむし歯を予防するためのもう1つ大切なポイントは、かかりつけの歯科医院で歯の定期検診を欠かさずに受診することです。

このとき、保護者の皆さんもお子さんと一緒に受診し、ご自身のむし歯や歯周病の早期発見・治療に努めることも大切な心がけといえます。

歯医者さんからのメッセージ

小さいお子さんをおもちの保護者の皆さんの多くは、日々、家事や仕事に追われながら子育てをなさっていることでしょう。

保護者の皆さんが多忙な日常にもかかわらず、お子さんの歯の健康に気を配り、子どものむし歯が減る傾向にあることはとても喜ばしいことだと思います。

私たち神奈川県歯科医師会は、今後ともさまざまな活動を通じて、お子さんの歯の健康を守る保護者の皆さんを応援してまいります。

神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会 会員 佐久間 剛

参考文献