お口の健康から健康寿命の延伸を!高齢者の方のオーラルケア方法について

1月27日(月)放送のテレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」内、「健康!歯っピーライフ」のコーナーの紹介です。

このコーナーは、歯やお口の健康に関する情報をMC久保田悠来さんと神奈川県歯科医師会広報川原委員が伝える月に1回のコーナーです。

1月のテーマは「お口の健康から健康寿命の延伸を!高齢者の方のオーラルケア方法について」でした。

平均寿命と健康寿命

一般的に、寿命というと平均寿命のことを示します。日本は世界有数の長寿大国で、男性の平均寿命は81.25歳、女性の平均寿命は87.32歳です。(2018年厚生労働省発表)1)
平均寿命と比較されることが多いのが健康寿命です。
健康寿命とは、心身ともに健康であり日常的に介護を受けずに自立した生活が送られる期間のことを言います。

健康寿命は、男性が72.14歳、女性が74.79歳であり、男女ともに平均寿命との間に約10年の期間があることが分かります。
健康寿命を延伸することは個人のQOL(生活の質)の向上だけではなく、医療費の削減にもつながります。健康でいられる期間を長くすることが課題だと言えるでしょう。

歯の損失はお口の健康を損なわせる大きな要因

高齢になると、お口の中にも様々なトラブルが現れます。
歯の損失は、お口の健康を損なわせる大きな要因となります。
成人の歯を失ってしまう2大原因は、むし歯と歯周病です2)
むし歯も歯周病も、原因は歯垢の中の細菌です。歯とお口の健康のためには、日常的に行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアが重要となります。
歯とお口が健康だと、しっかりと食べ物を咬むことができます。そして適切な栄養を摂ることができ、健康寿命の延伸につながります。

食べ物を咬んで、飲み込むためには筋肉量の維持が大切です。高齢になると、咬むための筋肉や飲み込むための筋肉の力も衰えてしまいます。筋肉量が低下すると、軟らかいものしか食べられなくなったり、飲み込む際にむせたりします。
筋肉量を維持するためには適切なタンパク質の摂取と筋肉のトレーニングが効果的です。神奈川県では、お口の健康体操 グー・パー・ぐるぐる・ごっくん・ベー体操3)を推奨しています。簡単に短時間で行うことができる体操で、高齢の方のみではなく全ての年齢の方にお勧めできる体操です。

参考

1)厚生労働省 平成29年簡易生命表の概況 2018年
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/index.html (最終閲覧 2020年1月)
2)公益財団法人8020推進財団第2回 永久歯の抜歯原因調査 2018年
https://www.8020zaidan.or.jp/pdf/document-tooth-extraction-investigation-2nd.pdf (最終閲覧 2020年1月)
3)神奈川県歯科医師会 オーラルフレイルハンドブック2019年
https://www.dent-kng.or.jp/fswp/wp-content/themes/kanagawa/images/handbook2.pdf(最終閲覧 2020年1月)
・神奈川県「口腔機能の維持向上」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/cnt/f4008/p756544.html

執筆者のご紹介
高橋滋樹

神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会 会員

〒236-0045
神奈川県横浜市金沢区釜利谷南2-3-23
カナリア歯科クリニック 院長 川原綾夏

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