保険で白い歯!

保険診療で白いかぶせものが可能に

 平成26年から奥歯の手前側に保険診療で白いかぶせものを入れられるようになりました。
 そして、平成29年12月から金属アレルギーの人に限っては奥歯まで、平成30年4月には口の中の残っている歯の数にもよりますが、下の奥歯のブリッジ(取り外ししない繋がった物)まで白いかぶせものを入れることが出来るようになりました。
 虫歯を治したい、でも口を開けて銀色が見えるのは嫌だという気持ちにより、寄り添える治療が可能となったのです。これらは全て、口に入れる材料の進歩とその加工方法の進歩のおかげです。ここでは昔と何が違うのか、ということについて話したいと思います。

進化する加工技術

 人の噛む力というのはとても大きく、大体体重と同じくらいと言われています。つまり、60キロの人がご飯を食べているときは、その人の歯に60キロもの力がかかっているということです。そんな大きな力に耐えられるように虫歯を削った所には長い間、金属を代わりに詰めていました。歯科技工士さんという方たちが歯医者さんで取った型を基に、一つ一つ手作りで作っていたのです。

 やがてプラスチックの加工技術の向上とともに、詰め物の形で白いプラスチックを入れることが出来るようになりましたが、かぶせものなどに使うには硬さが足りませんでした。
硬さのあるプラスチックはあったのですが、硬すぎて歯科技工士さんがそれぞれの口の中の状態に合わせて細かく形を作ることが出来なかったのです。

 ところがコンピュータの進歩とともに、パソコン上でかぶせものの形を設計し、機械が自動で硬いプラスチックの塊を削ってかぶせものを作れるようになったのです!
こうして作られた白いかぶせものをCAD/CAM冠(キャドキャムカン)といい、平成26年に保険診療で使うことが認められたのです。

術前

術後

その後、奥歯で噛んでも大丈夫なくらい硬いプラスチックが開発され、ブリッジに使えるようにと中に強化ファイバーを組み込んだプラスチックも開発され、次々と保険診療で認められるようになったのです。
これらはプラスチックなので金属アレルギーの方にも安心して使ってもらえますが、やはりまだ金属と比べると丈夫さは劣るので、使える部位は限られています。

今後、技術の進歩とともに材料が改良され、使える部位が増えることが期待されています!

神奈川県歯科医師会・川崎市歯科医師会会員
髙柴歯科 髙柴重幸

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

もくじ