歯のホワイトニングをしたい その前に知っておきたいこと

「歯が黄色っぽいのが気になって、笑うときについ口元を手で隠してしまう」

「大きく口を開け、白い歯をのぞかせて屈託なく笑う人を見るたび、私もこんなステキな笑顔で人に接したいと思う」

こうしたお悩みから、歯のホワイトニングを希望される方々がたくさんおられます。

白い歯を見せてきれいに笑いたい

歯のホワイトニングには、ホワイトニング剤を使う方法、人工の歯をかぶせる方法などがあります(図1)。

ここでは、こうした治療を受ける前に知っておいていただきたいことをお話します。

歯の色をきめるのは色あいと明るさ

歯の色(色調)をきめる要素には、色相と明度があります。

歯には、人それぞれオレンジがかった色、黄色っぽい色 、透明色、グレーがかった色など、さまざまな色合いがあります。これを色相といいます。

こうした色相に色の明るさの段階を示す明度が加わり、歯の色調をつくり出しているのです。

歯の色調は、照らし出す光線の種類によっても見える感じが違ってきます。つまり、太陽光や蛍光灯、LEDや白熱灯のもとでは、それぞれ色合いが変わってくるということです。

歯の色調はシェードガイドで判断

私たち歯科医師は、歯のホワイトニングをしたり入れ歯をつくったりするとき、歯科技工士などに治療前後の歯の色調を伝えています。

そのとき、ほとんどの歯科医師が使用しているのが、ドイツのVITA(ビタ)社が製造している「シェードガイド」という色見本です。

シェードガイドは、歯の色相をオレンジがかった色(A系)、黄色っぽい色(B系)、グレーがかった色(C系)などにグループ分けし、さらにそれぞれの色相別に明度を3~4段階に分けて評価します。

また、シェードガイドには歯の明度だけを評価するものもあり、白く明度が高いものから黄色っぽくて明度が低いものまで16段階で分類することができます(図2)。

歯の色調はシェードガイドで判断

ホワイトニングで芸能人のような白い歯になるの?

では、ホワイトニングを行ったすべての患者さんが、希望通りの真っ白い、キレイな歯になるのでしょうか。

こうしたご質問に対する、歯科医師の立場からのお答えはこうなります。

ホワイトニングをすると、確かに歯は白くなります。

しかし、芸能人のような真っ白い歯を想像していると、少し期待はずれになるかもしれません。

というのも、通常のホワイトニングでは、歯の明度は明るくなるものの、色相にはあまり変化がないことが多いからです。

つまり、もともと黄色っぽい歯やグレーがかった色の歯の人は、ホワイトニングによって見た目は明るくなりますが、純白にするのは難しいということです。

また、むし歯の治療などで詰め物や被せ物があると、その部分に色の変化はおきず、色の違いが出てしまいます。

このため、詰め物や被せ物の治療をやり直さなければいけないかもしれません。

さらに、歯の表面が白くにごっていたり、しま模様があったり、ひび割れ(クラック)があったりする場合などは、ホワイトニングをすることで、かえって見た目が悪くなることもあります。

歯医者さんのメッセージ

歯を白くして、魅力的な笑顔で人と接したい――私たち歯科医師は、皆さまのそんな願いをかなえるべくホワイトニングの施術を行っています。

しかし、歯の色調や形状、治療歴、施術の方法によっては、ホワイトニングを施術しても芸能人のような真っ白な歯にするのが難しいケースもあります。

ホワイトニングを希望される皆さんは、あらかじめ歯科医師と十分にご相談の上、施術を受けていただくことをお勧めいたします。

神奈川県歯科医師会・横浜市歯科医師会 会員 金子 宣由

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする