6歳臼歯は歯の“王様”

6歳臼歯は歯の“王様”

小学校に入るころ(5~6歳)になると20本の乳歯列のうしろに、永久歯の中で一番大きく、噛む力の最も強い第一大臼歯(6歳ごろに生えてくるので、6歳臼歯ともいう)が生えてきます。この6歳臼歯は非常にむし歯になりやすく、生えてから一年のうちに約50%の子どもがむし歯にかかっています。

また、6歳臼歯の生える前の4~5歳のころは、乳白歯の歯と歯の間がむし歯になり、食べかすがたまって歯肉を赤く腫らしたり、むし歯の進行がはやく大きく穴があき、痛みを訴えたりすることになります。4~5歳のころの乳歯の治療は、6歳臼歯をむし歯にさせないためにも大切です。

6歳臼歯は歯の“王様”(だが、とてもむし歯になりやすい)

口の中の大黒柱

6歳臼歯(第一大臼歯)は、「噛み合わせの鍵」と言われるように、歯並びや噛み合わせの基本となる、いわば口の中の大黒柱で、永久歯の中でも下あごの前歯と同じように比較的早い時期に生えてきます。

永久歯の中で一番大きく、臼(うす)の形をしていて、食物を噛む力が一番強い歯です。噛む面の溝が深くて複雑です。生えてくるとき、歯肉が赤く腫れ、痛みや違和感を訴えることがあります。

むし歯になりやすい

この歯は完全に生えるまでに時間がかかるので、その間、歯の上に歯肉がかぶさり、歯ブラシがとどかないため、清掃が不充分になりやすいといえます。

  • 歯の噛む面の溝が深くて複雑なので、食べかすがたまりやすくなります
  • 歯が完全に生えるまで噛む役割をしないので、食べかすがたまったままになりがちです
  • 5~6歳のこのころは遊び友だちも多くなって、母親の知らない時間も増えてくるので、行動や食物の管理が十分にできにくく、甘いお菓子をとる機会も多くなりがちです
  • 自分の思い通りにしたい時期で、母親に歯磨きをしなさいと言われるのや、歯磨きを手伝ってもらうのをいやがります

従って歯の清掃が不充分となるため、むし歯ができやすいといえます。

6歳臼歯を守るには

6歳臼歯が生えたら、早い時期にフッ化物を塗ってもらい、歯の質を丈夫にすること。噛む面が完全に出てきたら、予防のための詰め物で埋めてしまい、形態的にむし歯にならないようにすることもできます。

また、生える前4~5歳のころは、乳臼歯の歯と歯の問にむし歯ができていることが多いので、むし歯の治療をしておくことも大切です。

大きくロをあけていつも歯磨きが上手にできる子どもであれば、歯科医院の治療にも充分に対応できるはずです。しかし、何といっても常日ごろの間食の管理と歯磨きが最も大切です。

コラム:「4,000回から620回へ」

古文書などをもとにして当時の食事を復元する研究が進められていますが、その研究資料をのぞくと、興味深いことがわかります。

女王卑弥呼は約1時間をかけて食事をとっていることがうかがえます。平安時代を代表する「源氏物語」を著したかの紫式部は30分の食事時間、徳川幕府13代将軍家定は15分ですませています。では、現在の私たちはどうでしょうか。なんと、たったの10分との結果が報告されています。

食べ物を噛む回数も卑弥呼の約4,000回から現代の620回へと激減。あなたはどんなことを考えられますか?

あなたのストレスは噛むことで解消!

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「パリッ」。1つのリンゴを丸噛りしたときの爽快感は格別です。この噛み砕くという行動は、情緒的にも精神的にも安定することにつながるといわれています。

あごを動かし、ゆっくり噛むことが大脳皮質を刺激してストレス解消に役立つばかりか、集中力や判断力、思考力などを育てることになります。この、噛むことの目に見えない働きにも注目しましょう。